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ブリーダーの犬が売れ残った場合はどうなるのか?【ブリーダーが実際に説明します】

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ペットショップでの売れ残り問題などをよく耳にもしますが、ブリーダーから新しい家庭に移る過程においても、様々な問題が生じることがあります。

今後ブリーダーなど犬に関わる仕事をやりたいけど、売れ残るとどうなるのかが不安という方も多いと思います。

本記事では、ブリーダーの犬が売れ残った場合にどうなるのかについて、実際にブリーダーが詳しくまとめていきます。

なぜ犬が売れ残るのか?


犬が売れ残る主な理由は、需要と供給のバランスが崩れることにあります。

特定の犬種が人気になると、多くのブリーダーがその犬種を繁殖させます。

しかし、流行が過ぎ去ると需要が急速に減少し、結果として多くの犬が売れ残ることがあります。

実際の例として、過去に「101匹わんちゃん」の映画が公開された後、ダルメシアン犬の人気が一時的に高まりました。


その後、映画の人気が薄れるとともに、多くのダルメシアンが売れ残り、保護施設に持ち込まれるケースが増加したと言われています。

これは、流行による短期的な需要の増加と、その後の長期的な需要の減少の一例です。

個体差や性格、顔の違い

他の理由としては、人間と同様に犬も顔や体に特徴があり、目が大きい子がいれば小さい子もいます。

かなり大きくなる子もいれば、小さくて人気な子もいるなど様々です。

犬は一回の出産で2〜4匹を産むことが多いとされています。

実際にブリーダーのもとで犬を購入される場合は、ネットで確認して実際に犬舎に来られ、その子達を見比べて選ぶ方が多いです。


やはり、小さくて可愛い子や人懐っこくて甘えてくるような子を飼われる方が多いです。

そのため、言い方が悪いですが、比較して顔が整っていない子や暴れん坊で噛んでしまう子は、不人気で売れ残ってしまう子が出てきてしまうこともあります。

売れ残った場合のブリーダーの対応


次に、ブリーダーのもとで売れ残った子はどうなるのかについて詳しくまとめていきます。

①価格の変更

ブリーダーは売れ残った犬に対して最初に行う一般的な方法は、犬の価格を生後の期間に応じて価格を少しずつ下げることです。

生後間もない子の方が販売価格が高く、半年を超えてくると売れ残る子が多くなってきます。

半年経過すると、体もだいぶ大きくなり、性格が変化して人見知りなどで来客に甘えづらくなる子もいるためです。


そのため、犬種や健康状態、お顔や毛並みなどに応じて、適切な時期に犬の価格を調整していきます。

すると、売れ残る前に犬を新しい家庭に迎え入れる機会を増やすことができます。

ペットショップでなく、自己にて販売を行う場合、相場を調べて適切な価格設定を行う必要があります。


基本的にブリーダーから飼う方は2割程度、ペットショップで飼う方が8割と言われています。

ペットショップや他のブリーダーと比較し、その相場よりも高すぎる場合は売れ残る可能性も高くなります。

②里親の募集

それでも購入されることがない場合、一部のブリーダーは犬を自分で飼育することを選びます。

しかし、飼育している子が多くなるにつれて、かなりの数になってしまうため、譲渡会などで里親を募集することが多いです。

基本的に”正しいブリーディング”の環境で育った犬は、しつけやワクチンの接種、健康管理などを適切に行われています。


そのため、譲渡する場合は新しい家族が育てやすいため、受け入れられやすくなります。

子犬の時期は可愛いですがかなり世話が大変で、かつ金額的にも高いので、少し成長した犬の譲渡を選ばれる方も多いです。


また、ブリーダーは里親探しのイベントを開催したり、動物愛護団体や地域コミュニティと協力して、売れ残った犬のための新しい家庭を探す活動を行うことがあります。

これらのイベントや活動を通じて、犬とその将来の飼い主との間に適切なマッチングを促進します。

実例として、一部のブリーダーはジモティーなどのサイトやSNSを利用して、売れ残った犬のプロフィールを紹介して新しい飼い主を探します。

このように、売れ残った犬のためのブリーダーの対応は多岐にわたります。

繁殖してばかりで知識のないブリーダーの場合、しつけや健康管理を適切に行っていない場合があるので注意しましょう。



殺処分されるのか

殺処分目的での保健所への引き渡しは2013年の法改正により、保健所が拒否できるようになりました。

そのため、大量販売や大量飼育は適切なブリーダーでは困難となっています。

しかし、一部の悪質なブリーダーは、犬の大量販売を続けています。

結果、その売れ残った子たちは個人を装って殺処分を行ったり、引取り業者の手に渡るようになっていると言われています。

引取り業者とは、売れ残った子や繁殖が終わった子を有料で買い取る悪質な業者です。


実際に引き取り業者では、餌を与えずに不衛生な環境で犬を放置し、衰弱死させていることが発覚した業者が逮捕された事例もあります。

こういった悪質なブリーダーや引取り業者は犬だけでなく、同様に猫でも多いとされています。

本当に腹立たしいことなので、摘発されることを願うばかりです。

繁殖引退犬の場合は?


他にも、ブリーダーの仕事が気になる方は、繁殖を終えた後の繁殖犬はどうなるのか?ということも気になると思います。

基本的に犬の出産回数は6回まで、年齢は6歳以下までで、7歳に達した時点で生涯の出産回数が6回未満であることを証明できれば7歳以下まで可能となっています。


そのため、出産を終えた繁殖犬はその後の数年、余生を家庭犬として過ごします。

余生の方が長い子もいるので、ブリーダーの家でそのまま暮らすこともありますが、譲渡会などで一般家庭に譲渡されることが多いです。

繁殖には年齢制限もあるため、今後はさらにブリーダーの元から引退していく子が増えていきます。

そのため、”今後ブリーダーをやってみたい”という方は、繁殖を引退した後の子についてはどうするのかを考えてブリーディングを行う必要があります。

売れ残りの防止や適切なブリーディングのためには、自分の愛情が届く範囲で行うことをオススメします。


まとめ:ブリーダーの犬が売れ残ったらどうなるのか

最後に、ブリーダーの犬が売れ残ったらどうなるのか?についてまとめていきます。

  • 年齢に応じて適切な価格設定を行う

    ・犬種や顔、個体差によって変化する
    ・半年を超えてきたら値段を大きく下げる必要がある
  • 譲渡、里親の募集を行う

    ・譲渡会の開催
    ・SNSやジモティーの利用など
    ・動物愛護団体や地域のコミュニティを連携して行う
  • 繁殖引退犬も一部はブリーダーがそのまま育てるが、同様に譲渡されることが多い

以上になります。

ブリーダー業は本当にやりがいがあって、可愛い犬に癒される毎日です。

愛情を持って育てた子たちが、笑顔の飼い主のもとへ巣立っていくときは寂しいですが、心から嬉しい気持ちになるすごく好きな仕事です。

売れ残りの子は特にペットショップで大きく、問題となっていますが、大量飼育を行うブリーダーの責任でもあります。

適切にブリーディングを行える範囲で、愛情を持ってブリーダーを行えば、売れ残ることはほとんどありません。

ぜひブリーダーについて勉強し、可愛がってあげてくださいね。

ここまで拝見いただきありがとうございました。

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