ノミやダニは小さくても、愛犬の健康や幸せに大きな影響を与えます。
そのため定期的なノミダニ薬は必須です。しかし、予防薬の使用が愛犬を不安にさせてしまうことも。
本記事では、ノミダニ薬を使う際や使った後に犬が暴れる理由と、その際の適切な対処法についてわかりやすく解説します。
ノミダニ薬の役割と重要性
まずは、そもそもノミダニ薬がなぜ必要なのか、ノミダニが犬に与える悪影響についてまとめます。
ノミダニが犬に与える悪影響
ノミやダニの寄生は、犬の健康に様々な悪影響を及ぼします。
例えば、ノミはアレルギー体質であれば皮膚炎などのかゆみを引き起こしたり、下痢や腸炎なども引き起こします。
犬にとって深刻な問題を引き起こす外部寄生虫です。
ダニは、耳ダニ感染症や人にも感染するライム病などの重篤な病気を引き起こすことがあります。
これらの病気は、犬の健康に深刻な影響を及ぼし、時には命を脅かすこともあります。
なぜノミダニ薬が必要なのか
上述したノミダニを効果的に駆除し、予防するために重要であるためです。
定期的なノミダニ薬の使用によって、愛犬をこれらの寄生虫から守り、健康で快適な生活を送らせることができます。
ノミダニ薬の必要性は、多くの獣医学的な研究によって裏付けられています。
アメリカ獣医学会では、定期的な寄生虫予防の重要性を強調しており、ノミやダニの駆除と予防が犬の健康維持に不可欠であることを示しています。
当たり前のことですが、ノミダニ薬は犬の健康を守るための重要な手段です。
犬がノミダニ薬を使う時に暴れる理由
では次に、ノミダニ薬を使用した際に犬が暴れる原因についてまとめいきます。
薬の感触や匂いに敏感な犬
犬がノミダニ薬を使う際に暴れる主な理由は、その冷たい感触や匂いに対する反応です。
皮膚に塗布するタイプの薬は、薬剤に含まれるアルコール成分が、その冷たさやぬめりで犬を不安や不快感を感じさせ、暴れる原因となることがあります。
人間もアルコールの脱脂綿で拭いたらスーッとするのと同じですね
また、犬は非常に優れた嗅覚を持っており、普段と異なる匂いに強く反応することが原因になります。
薬の刺激へのアレルギー原因
他にも、一部の犬ではノミダニ薬の成分が皮膚を刺激することがあります。
体質的に敏感な犬や、特定の成分にアレルギー反応を示す犬では、薬を塗布した後にかゆみや赤みやが現れることがあります。
人間と同様で、犬にもアルコールに弱い子もいるからです。
これらの症状は、単に嫌なだけではなく、犬が体質的に薬に対して不快と感じているサインです。
アレルギーかを見分ける簡単なサインとしては、滴下したところの赤みや脱毛などの皮膚トラブルが起きていなければ問題ありません。
その場合は、単にアルコールの感触が嫌なだけと考えて大丈夫です。
もし気になる方は、一度受診されて相談しましょう。
当方の犬舎でも本当に感触が嫌いで、噛み付く勢いで吠えて嫌がる子もいますが、その子は滴下タイプでなく、飲ませるタイプに変更しています。
おやつを与えながら滴下すると、噛み付いてこなくなりやすいですが、意地でも嫌がる子もいます。
その場合は少し高くて手間がかかりますが、飲むタイプへ変更しましょう。
安全性は保証されているのか
ノミダニ薬の安全性は本当に大丈夫なの?と気になる方も多いと思います。
結論を言うと、ノミダニ薬は犬の健康を守るために世界中で広く使われています。
これらの薬は、多くの研究と長年の使用実績により、一般的に犬にとって安全であることが確認されています。
あまりにも安すぎる日本産以外のノミダニ薬は、安全性は保証されないものもあるので注意しましょう。
下記で詳しく、安全なノミダニ薬については説明します。
ノミダニ薬の成分とその安全性
ノミダニ薬には、フィプロニル、イミダクロプリド、セラメクチンなどの成分が含まれています。
これらの成分は、臨床試験を含む広範な研究によって犬に対する安全性が確認されています。
しかし、犬の体質や健康状態によっては、これらの成分に対する反応がそれぞれ異なり、アレルギーが生じる可能性もあります。
ノミダニ薬の適切な使用
ノミダニ薬の安全性は高いですが、適切な使用が鍵です。
用法容量を守り、初めてで不安な場合は獣医師の指示に従い、犬の健康状態や体質に合わせて使用しましょう。
また、同時に検診してもらい、定期的な健康チェックと併用することで、安全性をさらに高めることが可能です。
犬が暴れた時の対応
次に、ノミダニ薬を滴下する前に暴れる場合と、滴下した後に暴れる場合の対処法をご紹介します。
薬を塗布する前に暴れる場合
犬がノミダニ薬を使う前に暴れる時、飼い主が最初に行うべきことは、犬を落ち着かせることです。
穏やかな声で話しかけたり、優しくなでたりすることで、犬の不安を和らげましょう。
飼い主が無理に薬を滴下しようとして押さえつけたり、強く掴んだりすると、恐怖を犬が覚えてしまいます。
そうなると、薬を滴下しようとする度に噛み付こうとしたり、吠えたりしてしまうようになります。
そのため、滴下するときはおやつを与えながら行うのがオススメです。
また、滴下前に暴れないのであれば、滴下した後に褒めてからおやつをあげましょう。
薬の塗布後に暴れる場合
薬を塗布した後に暴れる場合は、犬の様子を細かく観察しましょう。
もし、皮膚の赤みやかゆみ、異常な行動などの兆候が見られた場合は、すぐに獣医師に相談してください。
これにより、副作用やアレルギー反応に迅速に対応して、犬の健康を守ることができます。
特に皮膚異常が起きていなくて暴れている場合は、あまり気にする必要はありません。
たまに暴れすぎたり、一日グテっとしている子もいますが、次の日にはほとんど元気になっているので気にしないで大丈夫です。
ノミダニ薬の適切な塗布法
ノミダニ薬は、正確な使用方法を理解して実践することが重要です。
記載通りに塗布するだけですが、一点気をつけるべきことは、犬の毛を丁寧にかき分け、皮膚に直接薬を塗布することがポイントです。
毛をかき分けずに行うと、毛がベタベタで濡れてしまうので、犬も不快感から暴れてしまいます。
また、薬の指定された量を正確に守り、頻度は適切に行うことでノミダニ予防ができますが、ノミがいそうだからと過剰に使用しないことも大切です。
これにより、犬に不必要なストレスや刺激を与えずに済みます。
どのノミダニ薬を使用すべきか
ノミダニ薬は冬を除いてほとんど一年中使用する必要があります。
ノミダニ薬といえばネクスガードが有名ですが、値段も高くて病院に行く必要があるため、滴下タイプが最も簡単でコスパもいいのでオススメです。
時折、かなり安くてこれはどうなんだ…?という薬を店で見かけることがあります。
判断基準としては、「動物用医薬品」と記載があれば、ほとんど性能は問題ありません。
「動物用医薬部外品」は医薬品と比べて安価な分、性能が少し低下するイメージで捉えていいと思います。
医薬品と医薬部外品と比べて使用したことがありますが、正直最初は効果の大きな違いは感じませんでした。
しかし、1年使用すると、ドッグランに行った後にノミがついていることがありました。
また、物にもよるのかもしれませんが、医薬品より臭いもかなり強く、脂ギッシュになりやすい問題があります。
そのためか、愛犬はかなり嫌がって医薬品の時より暴れてしまうので、現在は動物用医薬品を使用しています。
色々試しましたが、医薬品の中ではフロントラインプラスが最もコスパが良くて使いやすいです。
Amazonでも買えるので、私の家ではこれをずっと使用しています。
ノミダニ薬以外の予防
犬の健康を守るためには、ノミダニ薬はもちろんですが、日常的なノミダニの予防も重要です。
これには、犬の居住環境の清潔を保つことになります。
犬の寝床や遊ぶ場所を定期的に掃除し、洗濯することで、ノミやダニの発生を抑制できます。
散歩では草むらの深いところを歩かないようにすることも大切です。
時間があれば、定期的に散歩後のブラッシングを行うなども効果があります。
まとめ:犬にノミダニ薬を使うと暴れるけど大丈夫なのか
最後に、犬にノミダニ薬を使うと暴れる理由と暴れた時の対処法についてまとめていきます。
暴れる理由
- 薬の臭いや感触に敏感
・アルコール成分が含まれるため、ヒヤッとする感触が苦手
・薬剤の臭いに苦手 - 薬の刺激へのアレルギー原因
・アレルギー体質の犬では、薬を塗布した後にかゆみや赤みやが現れるため
暴れた時の対処法
- 塗布前に暴れる場合
・犬が落ち着いた時に塗布する
・無理に薬を滴下しようとして押さえつけたり強く掴んだりしない
・恐怖を犬が覚えてしまう
・薬を滴下する時におやつを与えながら行う - 塗布後に暴れる場合
・皮膚の赤みやかゆみ、異常な行動などの兆候が見られた場合は獣医師に相談
・皮膚異常がない場合は特に問題ない
以上になります。
薬を飲ませる、滴下することは大変です。
何回飲ませても吐き出す子、滴下したら吠える子など、トレーナーとして働く中でかなりご相談をいただきます。
薬の使用を犬にとってポジティブな経験に変えるためには、飼い主の愛情と忍耐が必要です。
愛情を持って、忍耐強く対応することで、犬との健康的な関係を築きながら、適切な健康管理を行うことができます。
大変ですが、避けられないことなので、なるべく簡単に行えるように医薬品の滴下タイプを試して見てください。