犬は一緒にいるだけでかなりの幸せを与えてくれます、本当に可愛いですよね。
しかし、多くの人が犬を家族に迎える際、価格が大きな関心事となります。
数十万円〜百万円以上の子もいて、高すぎるとそもそも買うことができないです
特に、1万〜5万円という驚くほど激安価格で販売されている犬には、どのような背景があるのでしょうか?
この記事では、激安で犬が売られている理由についてブリーダーが詳しく説明します。
激安の犬が1万円から5万円で売られている理由
ペットショップでは、1万円から100万円以上など、いろいろな値段で販売されています。
なぜ販売価格にそこまでの相違があるのか理由を4つ説明していきます。
①大量生産と大量販売
ブリーダーとしてはとても悲しい現状ですが、一部の悪質なブリーダーやペットショップは、大量生産と迅速な販売を目的としています。
ニュースに出たこともありますが、劣悪な環境で大量に子犬を出産させ、提携して安くで販売するブリーダーとペットショップのことです。
仕入れの量が多いと、単価が安くなるためです。
かなり多くの子を販売すれば売れ残る子が出るのは当然で、それが長期化して価格が激安になってしまいます。
また、人気の犬種や流行りの犬種は高価格で売られる傾向にある一方で、需要が少ない犬種や生まれた際に何かしら体調が芳しくない犬は低価格で販売されることがあります。
本当に悲しいことですがこういったことが減らないのが現状です
②コスト削減と医療やケアの不足
安価な犬はしばしば、コスト削減のために適切な医療ケアや栄養を受けていない可能性があります。
これは、生まれた時からの健康状態や社会性の欠如に影響を与えることがあります。
注意点:犬の糞の処理が正しく行われていないところでの購入は絶対にやめましょう
糞の処理が行われていない、または遅いショップでは、ワクチンも打っていないことが多く、衛生面に問題があるため寄生虫が潜んでいる場合があります。
その結果、下痢など体調不良を起こしやすかったり、病気を隠して販売しているケースがいくつも発覚しているのが現状です。
店内の衛生面が悪く、激安で売られている場合は本当に注意しましょう。
③先天的な異常や将来的な病気のリスク
安価で販売される犬には、遺伝的な疾患や先天的な健康問題が隠されている可能性があります。
これらの問題は、短期的には見過ごされることがありますが、長期的には重大な健康上の懸念となることが多いです。
年齢を重ねていくと、ヘルニアや膝蓋骨の脱臼や内臓疾患など、若い頃は大丈夫でもそういった症状に悩まされる方を時折見受けます。
特に劣悪な環境で育てられた純血種の犬では、遺伝的な問題が集中して現れる傾向があります。
④ケアとメンテナンスが劣悪
低価格で犬を購入する場合、初期にかかる医療費や必要なワクチンが省かれている可能性があります。
これにより、購入後に高額な治療費が発生するリスクがあります。
ショップによっては、ずっとゲージから出してもらうことがなく、足腰がかなり弱っている子や鬱っぽくなっている子もいます。
大量販売や4つの理由の末、売れ残った子の価格がかなり引き下げられ、1万〜5万円など安くで販売されてるということになります。
ショップの見分け方や購入時の注意点
激安になる原因ではありませんが、購入に注意していただくべきことを簡単にまとめておきます。
安価な犬を購入する場合は、ブリーダーやペットショップの評判を徹底的に調査することが重要です。
健康証明書やワクチン接種記録、遺伝的疾患のスクリーニングなど、犬の健康に関する文書を出してもらって確認しましょう。
良いショップであれば、業務終了後に散歩をしたり、室内で楽しく遊んで社会性を高めてくれるところもあります。
散歩をするには”ワクチンが必要”なので、「散歩をしている子」は問題が少ないことが多いです
最近ではペットショップの敷地内や室内で遊ぶことが多いですが、「ゲージの外に出て遊んでいるか?」を聞くとショップの見分けがつけやすいですね。
そういったショップであれば、犬が実際に家にきてからも人懐っこかったり、最初から手間がかかりにくいケースが多いです。
また、ブリーダーや店員が犬についてどれくらいの知識量があるのか?を知ること、どの程度丁寧にケアやブリーディングをしているかも重要な判断基準です。
私が初めて飼ったブリーダーは、引き渡し前の検査が適当でした。当時の私は騙され、飼い始めてからすぐ脱臼と遺伝子脱毛症が発覚しました
病気があって今でも毛が生えない中、元気に走り回っていて毎日愛おしいですが、当時の私は準備・勉強不足でした。
そのブリーダーは、病気や遺伝子検査の知識が一切なかったため、その後の治療費についてなどかなりトラブルになりました。
ですので、ブリーダーやショップの方の知識量を確認されることは大事です。
売れ残った犬たちの行方は?
全ての子が新しい家族に出会うわけではありません。販売が長期化してショップで売れ残った子達はどうなるのかについてもまとめていきます。
価格の調整
まず最初に行われるのは価格の調整です。犬が売れ残ると様々な取り組みが行われます。
期間とともに価格が低下し、長引くと激安価格まで低下してしまいます。
保護施設への移送
一定期間売れ残った犬は、保護施設やレスキューセンターへ移送されることがあります。
これらの施設では、犬たちに新しい家族を見つけるための支援が行われます。
飼育環境の変化
売れ残った犬は、店舗によっては保護施設に行かず、限られたスペースの中で長期間過ごすことになります。
時折、広めのサークルに入れられている子たちになります。
殺処分のリスク
ペットショップで売れ残った犬が直面する最も厳しい現実の一つが、殺処分のリスクです。
保護施設やレスキューセンターでは、売れ残った犬を引き取り、新しい家族を見つけるための取り組みを行います。
しかし、これらの施設も資源に限りがあり、すべての犬に恒久的なケアを提供することは困難な場合があります。
資源やスペースの制約により、残念ながら一部の施設では殺処分が選択されることがあります。
全てのペットショップや保護施設がこのような措置を取るわけではありませんが、残念ながら一部のショップでは、売れ残りが長期化した犬を管理するために殺処分が行われることがあります。
問題の認識と対策
殺処分の問題に対して、動物愛護団体や一部の政府機関は、啓蒙活動や法律の改正を推進しています。
ペットの飼育を考える際には、こうした背景を理解し、可能な限り保護施設やレスキュー団体からの譲渡を検討することが推奨されます。
私はブリーダーとして犬を育てていますが、かなり数が少なく、ケアと愛情が行き届く範囲でしか行っておりません。
ショップにも提携せず、直接での引き渡しのみなのでトラブルは生じませんが、大量飼育・販売しているブリーダーにも注意されて下さい。
購入を検討されている方は、ショップによる大量販売の影響により、こういった暗い背景があることを感じて購入していただければと考えております。
まとめ:激安の犬が1万円から5万円で販売される理由
最後に激安価格で売られている理由についてまとめていきます。
- 大量生産と大量販売
- コスト削減と医療やケアの不足
- 先天的な異常や将来的な病気のリスクがある
- ケアとメンテナンスが劣悪
犬は本当に人を幸せにしてくれます。
これから購入を検討されている方の何かしら力になれれば幸いです。
ここまで見ていただきありがとうございました。