犬は人間の言葉を話すことはできないため、行動や身体のサインを通じて多くのことを伝えています。
特に、犬の座り方は健康状態を理解する上で重要な手がかりになります。
本記事では、愛犬のおすわりの姿勢がおかしいけど大丈夫なのかについてわかりやすく解説していきます。
おすわりの違いは何かのサイン?
犬の座り方に普段と違う変化があれば、それは何かしらのサインかもしれません。
体のどこかに違和感があるか、何かを訴えている可能性があります。
特に、座り方の変化は体調や心理状態の変化の指標となることが多いです。
おすわりの姿勢が悪い原因
犬のおすわりの姿勢が悪いのは、関節や筋肉に関連した健康問題が主な原因です。
関節炎や脱臼、骨折などの疾患は、高齢の犬や成長期の犬に多く見られ、これらの状態は犬が快適な姿勢を取ることを難しくします。
アメリカ動物病院協会の研究では、年配の犬の約20%が何らかの形の関節炎を有すると報告しています。
犬の体重が重すぎることも、おすわり姿勢に影響を及ぼす可能性の一つです。
肥満は関節に過剰な負担をかけ、痛みや不快感を引き起こすことがあります。
肥満の犬は、健康的な体重の犬に比べて関節炎を発症するリスクが高くなります。
また、ストレスや不安も犬の姿勢に影響を及ぼすことがあります。
つまらない時は変な姿勢をとってみたり、色々な姿勢で休んでいたりします。
これらの原因を踏まえて、愛犬の姿勢が普段と違うか確認しておきましょう。
犬の姿勢に影響する要因
愛犬の座り方や全体的な姿勢は、日常の食事や運動量、そして生活環境に大きく影響します。
変な姿勢でのお座りになる原因を予防し、健康な体を維持するためには、バランスの取れた栄養と適切な運動が欠かせません。
これは特に犬の成長期において重要で、肥満にならないように注意しながら、骨格と筋肉を発達させていく必要があります。
犬の栄養において、カルシウムやタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がバランス良く含まれた食事は、犬の骨格の健康と筋肉の発達に必要です。
カルシウムは骨を強くし、タンパク質は筋肉の成長と維持に役立つため重要となります。
また、犬にとって適度な運動も必要不可欠です。
適切な運動は、関節の健康を維持し、筋肉を強化することで、犬が健康的な体型を保つのに役立ちます。
運動はカロリーの消費を促進し、肥満の予防にも繋がります。
したがって、愛犬の健康な姿勢を維持するためには、栄養バランスの取れた食事と適切な運動が極めて重要です。
そのため、成長期や関節の悪くなりやすい犬種の場合は、なるべく栄養素の整ったフードを与えてあげましょう。
関節ケアの成分が豊富で、グルコサミンやコンドロイチンが含まれているものがいいとされています。
私の初めて飼った子も脱臼があり、成長期のフードと運動、滑りにくい床など環境の調整にはかなり気をつけました。
関節ケアや栄養素に加え、食い付きとコスパを考えると最もポピュラーなモグワンがオススメです。
関節ケアのためにはフードを継続していく必要があるので、私は定期コースで注文しています。
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変な座り方の時に注意が必要な病気
人間もソファでゴロゴロしたり、あぐらや正座など色々な姿勢で座るのと同じで、犬も色々な姿勢を取ります。
しかし、普段は問題なくお座りができていた犬が、病気や不調の際に取るおすわりの姿勢には、以下のような特徴があります。
①骨折
犬は痛みに強いと言われており、骨折しても騒がないことが多いため、詳しく調べると骨折していたという子も多いとされています。
おすわりや歩き方に急な異常が見られることが特徴です。
骨折した足を床から持ち上げて座ったり、おすわり以外にも歩行時に足を引きずったりすることがあります。
骨折の場合、患部に腫れや触れると痛がる反応が見られ、普段より動きが鈍くなることが一般的です。
②股関節形成不全
大型犬に多いこの遺伝的疾患は、股関節が変形することで起こります。
おすわりの姿勢が不自然になることがあり、腰が下がったり、足を広げたりする姿勢をとることがあります。
歩行時に腰が揺れる、うさぎ跳びのような走り方をすることもあり、これらは痛みや不快感を示す兆候です。
遺伝性の疾患で幼少期に発症しやすく、なるべく早く対応した方が治療経過がいいため、子犬を飼ったばかりの頃は特にこの病気は注意する必要があります。
幼少期の肥満も原因になりやすいとされているので、体重コントロールなど獣医師に相談しながら治療する必要があります。
③股関節脱臼
股関節脱臼は、突然の足の脱力感や力の入らない様子を示すことがあります。
②の股関節形成不全が原因となり、発症することもあるとされています。
犬がおすわりする際に片方の足を伸ばしたり、歩く時に片足を引きずるなどの行動を取ることがあります。
痛みがひどい場合には、地面に足をつけることができなくなることもあり、犬が片方の足を広げて座る姿勢を取ることがあります
友人のブリーダーは、低めのソファから飛び降りた子が急に足を動かさなくなり、検査で脱臼していたケースがあったと聞いています。
再発しやすいので、遺伝的に股関節が弱い子などは注意が必要です。
④膝蓋骨(パテラ)脱臼
小型犬に多いこの疾患は、膝のお皿がずれることで起こります。
おすわりが変だけど大丈夫か相談がくる時は、パテラの脱臼をしている子をかなり多く見かけます。
初期段階では犬が自ら脱臼を治すため発見が難しいことがありますが、酷くなると脱臼した足を地面から上げて歩くようになります。
おすわりの際にも、痛みを避けるために膝を曲げず、股関節を内に入れ込むように座ったりすることがあります
また、おすわりをしようとした時に、膝を曲げるとパキッと外れるような音がするのも特徴です。
小型犬はかなり多く、私の初めて飼った子も引き渡し直後に座る姿勢がおかしく、すぐ病院でパテラの脱臼が見つかりました。
現在はフードや環境に気をつけて症状なくおさまっていますが、治療や対応が遅れた場合は、手術するケースもあるので注意が必要です。
⑤関節リウマチ
この病気は他と比べると姿勢不良の原因になることは少ないですが、関節に炎症を引き起こし、自己免疫の異常によって起こる免疫介在性多発性関節炎の一種です。
片足を上げたり、痛くて体重をかけにくい側にシフトするなど、非対称なおすわり姿勢を取ることがあります。
また、おすわり以外には、散歩を嫌がる、足を引きずる、関節が曲がらない、発熱するなどの症状が見られます。
その他に、食欲不振や貧血、元気がない、関節の腫れや変形、リンパ節の腫れなども見られます。
心配しなくても大丈夫な場合
普段は綺麗におすわりをしている子が、急にお姉さん座りのように足を横に倒して座る場合がります。
そういった場合は上述した病気が不安になりやすいですが、綺麗なお座りをピシッと行える場合はほとんど問題ないとされています。
パグやダックスは短い足のため、元々お姉さん座りの子が多いです。
常に異常な姿勢でお座りをしたり、庇うような素振りがなければ問題ありません。
人間と同じで好きな姿勢や崩した時に取りたくなる姿勢があるので、気にしなくても大丈夫です。
小さい頃からお姉さん座りをしておらず、急に大人になってし始めた場合は注意しましょう。
おかしい姿勢に対する対応
犬のおすわり姿勢が異常な場合、まずは獣医師に相談することが重要です。
特に成長期の子の場合は早めに相談しましょう。
獣医師による定期的な検査は、関節症や筋肉の問題など、姿勢に影響を与える可能性のある健康上の問題を早期に発見するのに重要です。
実際、定期的な健康チェックによって多くの犬が早期の段階で適切な治療を受けることができ、健康的な姿勢を維持しています。
例えば、関節炎が原因の場合、痛みを和らげる薬や治療法を提案することができます。
また、原因は生活環境にあるかもしれないため、環境の整え方についても相談できます。
滑りにくい床材を選ぶことや、関節に優しい、犬が休める快適な場所を確保することは、犬の姿勢に良い影響を与えます。
何より、一度検査してもらっていると安心しますし、早めの治療であれば犬の負担や飼い主の精神的、金銭的な負担も減ります。
これらの対応策を通じて、犬の健康と快適な生活を支援し、愛犬が正しい姿勢を取ることができるようにすることが重要です。
まとめ:犬のおすわりの姿勢がおかしい
最後に愛犬のおすわりの姿勢がおかしい原因とどうすべきかについてまとめていきます。
- 普段と違う変化があれば要注意
・ピシッと座ることができれば問題ない
・これまで綺麗に座っていたのに、出来なくなっている場合は注意
・元々犬種によってはお姉さん座りが好きな子もいる - おすわりの姿勢が悪いのは、関節や筋肉に関連した健康問題が主な原因
- 関節炎や脱臼、骨折などの疾患である可能性がある
・高齢の犬や成長期の犬に多く見られる
・肥満や運動不足も原因の一つ
・遺伝的要素も含まれる
以上になります。
おすわりの異常は、言葉を話せない犬からのサインです。
幼少期〜成長期は特に日々の姿勢や変化が多いので、愛犬のために関節ケアや栄養の管理に気をつけながら気をつけて対応してあげましょう。
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